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0 仔鳥の詩

仔鳥は詩う
小さな小さな仔鳥は詩う
小さな仔鳥は大きな声で詩う
仔鳥の詩が聞こえるか
あの
微かに響く
仔鳥の詩が聞こえるか
詩え
その喜びを
詩え
その哀しみを
その怒りを
全ての感情のありのままに

仔鳥の詩


1.母は未だ帰らず

仔鳥は鳴いた
小さな小さな小鳥は鳴いた
餌をちょうだい 小鳥は鳴いた
鳴いても鳴いても
帰ってこない
鳴いても鳴いても
その姿は見えず
眠る間も惜しんで小鳥は鳴いた
夢の中でも仔鳥は鳴いた
鳴いて鳴いて鳴き続けて

そして


2.飛べない翼

初めて巣から飛び出した
何度も何度も練習していた
翼をはためかせ
大空へ舞い上がる
その日を何度も夢に見た
でも
この翼はいくらはためかせても
大空へ浮かぶことはなく
巣から飛び出した翼は
真っ直ぐに


3.飛べない場所

ついに巣を飛び出した
舞い上がる
翼は空を叩き
ぐんぐん上に
木々の間をすり抜け、
開けたそこに出た
鋼鉄の塊が蠢く
灰色の地面のそこに

この翼は
もう飛べない


4.信じた者は

殻を破り
最初に見た暖かい存在
とても大きな母
どこまでもついていった
それしか頼れるものがなかったから
大きくなっても
母よりは小さく
母は偉大だった
信じていた
唯一にして最大の信頼
それなのに
振り上げたその手に持っているのは

何?


f.儚い声が聞こえる時

一つ
また一つ
消えていく命はいつも
突然に儚く
仔鳥たちはまた
何も知らないまま育つのか
何も知らないまま朽ちるのか
儚い声が聞こえる
死に逝く仔鳥の
細く生きる仔鳥の
何も知らぬ仔鳥の
純粋な詩

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