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少し経って、色々と落ち着いてきた。
不安定気味だった祐紀も、いつしか元のおとなしい患者に戻っていた。
(……なんか物足りないような……)
祐紀はそんなことを思っていた。
 新名弥栄の病室はあれ以来、みつからなかった。
祐紀はいつしか探すのをやめて、おとなしくしていた。
 彼女は自分の見た幻影だったのだ、そう思いこむことで、いくらか自分の心を押さえつけたのだ。
しかし、どんなに押さえつけても、弥栄への思いは強まる一方なのだった。
「……新名……弥栄……」
その言葉に担当の看護師が反応する。
「あぁ、そういえば祐紀君は新名さんの部屋に隠れてたんだってね。彼女とは仲いいの?」
 それを聞いた祐紀の目の色が変わる。
ムリもないだろう。その存在を否定した相手のことを、担当看護師は知っていたのだから。
「弥栄……新名さんは、退院したんですか?」
病院から忽然と姿を消すには、退院が一番可能性が高い。そう判断しての発言だった。
「……いや、病室が変わったの。今いるのは、あそこの内科じゃなくて……」
看護師が言いよどむ。
「……何処に?」
聞きたくない気がした。
 でも祐紀は聞かなければならない気がした。
「……精神科……」
一瞬、理解が遅れる。
「……精神科!? なんで精神科なんかに!!」
祐紀が立ち上がらん勢いでくってかかる。
看護師は冷静にそれをなだめて言った。
「彼女……新名弥栄さんは、失明の不安で人間不信になっていたの。……しばらく回診すら抵抗して受けもしなかったんだけど、このまえの一件の後に新名さんが珍しく診察を受けたら、そう結論が出て彼女は先に心のケアが重要と言うことで精神科に移ったの。」
「そんな……」
信じられないと言った表情を浮かべる祐紀
しかし、祐紀はすぐに車いすを動かし始める。
「あ、ちょっと?! 祐紀君! 何処に行くの!?」
祐紀は返事もせずに車いすを操作してあっという間に病院の方へ入っていった。

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