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0-4
日もとっぷりと暮れ、今は夜。
明かりの消えた家々の中に、未だ明かりの灯る1軒の建物。
その建物の名は「羽ばたく蝶亭」。
いわゆる酒場という施設だ。
中では様々な人々がやんややんやと飲み、騒いでいた。
その中の隅っこ。影になる位置でひっそりと酒を啜る、一人の男がいた。
「どうしたもんかねぇ……」
そんな独り言を漏らしながらぐっと酒杯を開けてしまう。
そうしていると、そそくさと小さな影が忍び寄り、ちょこんと彼の向かいに座る。
男がその姿を見ようと伏せた顔を上げる。その視界には桜色の東方の衣装を纏った少女が座っていた。
「おまえ」
少女に声をかけられる。
「ここは酒場で、酒を飲んで楽しい気分になるところだと聞いた。だが、おまえは楽しそうにしていない。何かあったか?」
テーブルに身を乗り出し、彼の顔をのぞき込むようにする少女。
男は鬱陶しそうにそれを振り払いながら
「なんでもねぇさ」
そういって席を立とうとする。が、少女が見た目からは想像できぬ力で彼の腕を引く。
立ち上がりかけだった男は思わずバランスを崩し、先ほど座っていた
椅子に再び座る格好になる。
「なぁ、おまえには一緒に騒ぐ仲間がいない。ちがうか?」
男が痛いところを突かれたようにむっと眉をゆがめる。
「おまえには関係無いだろう、それとも、おまえは俺と騒ぎたいのか?」
「ああ、そうだな。おまえと騒ぐのも楽しそうだ」
男の問いにスパッと即答する少女。
男はなんだかんだ酒が入っていたからか、それとも少女の真っ直ぐな瞳に魅入られたのか、ともかく少女を酒場から連れ出し、高いところの丘の上――見晴らしがよく、風が気持ちいいところだ。に連れてきていた。
ひんやりとした夜風が二人を冷やす。
「酒がスーッと冷めるナァ」
そういって軽く伸びをして、男は少女に向き直る。
「自己紹介がまだだったな。俺はマーティス。海賊を『やってた』」
少女は一度眠るように目を閉じてすぐに見開き、男に向き直る。
「私はサクラ。これでもシノビの一族『だった』」
「……」
お互いの職歴が過去形なことにお互いが沈黙する。
再び夜風が二人を冷やす。
「っくち」
少女――サクラが可愛いらしいくしゃみをする。
それを見て、男――マーティスは自身の上着を少女にかけてやる
そして風の当たらない樹の影に場所を移す。
そこでマーティスはぽつりぽつりと語り始めた。
「俺はまぁ海賊やってたんだけど、まぁこれがあんま好きじゃぁ無かったんだ。悪いことってのがどうも性に合わない。金銀財宝探してのお宝探しってのにあこがれてたんだが、どうも姑息な泥棒の方が儲かるってんで、海賊ってもそういう泥棒集団だった。だから逃げだしちまったのさ……」
簡単ないきさつを語ってしまう。
サクラも、マーティスの上着の中でぽそぽそと語り始めた。
「私も似たカンジだな。私の生まれた村ではシノビは格好いいものだと聞かされてて、憧れて、頑張って。なったはいいけど実際には潜入とか、情報操作とか、裏工作とか地味だったりしてね……それで……」
なんとなく予感がしたのか。あるいは出会ったときから、同じモノを感じていたのか。二人の声が重なった。
「「この都で冒険者になろうかな、なんて」」
二人は冒険者の魅力だとか、何処が格好いいだとか、そんなことを話合った。そして決意する。
「あと3人だ。あと3人集めて、世界樹の迷宮を攻略するギルドを設立しよう」
マーティスが高らかに宣言する。
たった一人の聴衆がそれに同意するようにパチパチと拍手を送った。
もう夜明けが近づいていた。
二人は宿へ戻るべく、その丘を降りる。
途中、世界樹の迷宮と呼ばれる、その入り口の前を横切る。
夜闇の中、なお漆黒を称えるその入り口は見ているだけで、その目の前のものに暗黒へ引きずり込まれてしまうかのような錯覚を見せる
それを見て、二人は決意を新たにする。
その時だった。二人の目の前にまばゆい光が輝き、そして消える。
何も無かったハズの場所に、3人の男女が倒れていた。
---to be continued---
日もとっぷりと暮れ、今は夜。
明かりの消えた家々の中に、未だ明かりの灯る1軒の建物。
その建物の名は「羽ばたく蝶亭」。
いわゆる酒場という施設だ。
中では様々な人々がやんややんやと飲み、騒いでいた。
その中の隅っこ。影になる位置でひっそりと酒を啜る、一人の男がいた。
「どうしたもんかねぇ……」
そんな独り言を漏らしながらぐっと酒杯を開けてしまう。
そうしていると、そそくさと小さな影が忍び寄り、ちょこんと彼の向かいに座る。
男がその姿を見ようと伏せた顔を上げる。その視界には桜色の東方の衣装を纏った少女が座っていた。
「おまえ」
少女に声をかけられる。
「ここは酒場で、酒を飲んで楽しい気分になるところだと聞いた。だが、おまえは楽しそうにしていない。何かあったか?」
テーブルに身を乗り出し、彼の顔をのぞき込むようにする少女。
男は鬱陶しそうにそれを振り払いながら
「なんでもねぇさ」
そういって席を立とうとする。が、少女が見た目からは想像できぬ力で彼の腕を引く。
立ち上がりかけだった男は思わずバランスを崩し、先ほど座っていた
椅子に再び座る格好になる。
「なぁ、おまえには一緒に騒ぐ仲間がいない。ちがうか?」
男が痛いところを突かれたようにむっと眉をゆがめる。
「おまえには関係無いだろう、それとも、おまえは俺と騒ぎたいのか?」
「ああ、そうだな。おまえと騒ぐのも楽しそうだ」
男の問いにスパッと即答する少女。
男はなんだかんだ酒が入っていたからか、それとも少女の真っ直ぐな瞳に魅入られたのか、ともかく少女を酒場から連れ出し、高いところの丘の上――見晴らしがよく、風が気持ちいいところだ。に連れてきていた。
ひんやりとした夜風が二人を冷やす。
「酒がスーッと冷めるナァ」
そういって軽く伸びをして、男は少女に向き直る。
「自己紹介がまだだったな。俺はマーティス。海賊を『やってた』」
少女は一度眠るように目を閉じてすぐに見開き、男に向き直る。
「私はサクラ。これでもシノビの一族『だった』」
「……」
お互いの職歴が過去形なことにお互いが沈黙する。
再び夜風が二人を冷やす。
「っくち」
少女――サクラが可愛いらしいくしゃみをする。
それを見て、男――マーティスは自身の上着を少女にかけてやる
そして風の当たらない樹の影に場所を移す。
そこでマーティスはぽつりぽつりと語り始めた。
「俺はまぁ海賊やってたんだけど、まぁこれがあんま好きじゃぁ無かったんだ。悪いことってのがどうも性に合わない。金銀財宝探してのお宝探しってのにあこがれてたんだが、どうも姑息な泥棒の方が儲かるってんで、海賊ってもそういう泥棒集団だった。だから逃げだしちまったのさ……」
簡単ないきさつを語ってしまう。
サクラも、マーティスの上着の中でぽそぽそと語り始めた。
「私も似たカンジだな。私の生まれた村ではシノビは格好いいものだと聞かされてて、憧れて、頑張って。なったはいいけど実際には潜入とか、情報操作とか、裏工作とか地味だったりしてね……それで……」
なんとなく予感がしたのか。あるいは出会ったときから、同じモノを感じていたのか。二人の声が重なった。
「「この都で冒険者になろうかな、なんて」」
二人は冒険者の魅力だとか、何処が格好いいだとか、そんなことを話合った。そして決意する。
「あと3人だ。あと3人集めて、世界樹の迷宮を攻略するギルドを設立しよう」
マーティスが高らかに宣言する。
たった一人の聴衆がそれに同意するようにパチパチと拍手を送った。
もう夜明けが近づいていた。
二人は宿へ戻るべく、その丘を降りる。
途中、世界樹の迷宮と呼ばれる、その入り口の前を横切る。
夜闇の中、なお漆黒を称えるその入り口は見ているだけで、その目の前のものに暗黒へ引きずり込まれてしまうかのような錯覚を見せる
それを見て、二人は決意を新たにする。
その時だった。二人の目の前にまばゆい光が輝き、そして消える。
何も無かったハズの場所に、3人の男女が倒れていた。
---to be continued---
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-1.
まえがきデス。
というわけで本日からJEIKJEIL改め過激派唐辛子、或いはJacoJalaデス。
どっちにせよ「じゃこはら」と読んでクダサイ。読めない?知りません(コラ。
まぁ漢字の方を(無理矢理)英訳するとJacominism Jalapenoということです。ハイ。じゃこはらデス。略しまくるとJJにナリマス。前と同じでス
そんなわけで予約しなくても買えるだろうと腹括ってるじゃこはらですが、買ってから週間連載でプレイ日記的な連載をやろーかと。
カウントアップとモチベーション維持が主な目的(コラ
まぁそんなわけで発売に先駆けてプレストーリーを2回程掲載していく腹づもりになってます。
それではこんな拙い文章を待ってない人も望んでない人も(マテマテ
どうぞどうぞ~
まえがきデス。
というわけで本日からJEIKJEIL改め過激派唐辛子、或いはJacoJalaデス。
どっちにせよ「じゃこはら」と読んでクダサイ。読めない?知りません(コラ。
まぁ漢字の方を(無理矢理)英訳するとJacominism Jalapenoということです。ハイ。じゃこはらデス。略しまくるとJJにナリマス。前と同じでス
そんなわけで予約しなくても買えるだろうと腹括ってるじゃこはらですが、買ってから週間連載でプレイ日記的な連載をやろーかと。
カウントアップとモチベーション維持が主な目的(コラ
まぁそんなわけで発売に先駆けてプレストーリーを2回程掲載していく腹づもりになってます。
それではこんな拙い文章を待ってない人も望んでない人も(マテマテ
どうぞどうぞ~
まぁウチの姉貴が「あるある~ってなるから読んでみー」つって人の部屋に投げ入れたまま放置された本を読んでいたのですよ
飛鳥新社出版、もぐら著作うちのトコではというマンガです。
まぁとりあえず読んでみた感想を一言
不覚にも泣いた
気になった方はデスネ。
とりあえずこの本を買ってまず190Pから読むことをおすすめしますというか190ページ以前は読まなくても結構です(ぉ
夢の架け橋というストーリーマンガがついているのですがちょっとした感動物語になっちゃってます。
瀬戸内3橋(瀬戸大橋、しまなみ海道、明石海峡大橋)の計画から開通までの物語なんですが。
ァーツマンネーとか思いながらそこまで読み進めていたらそんなモン出てくるおかげで『薦めるトコ間違ってるよ姉貴!!』と突き返す勢いでした。(繰り返し読むため未だ拝借中
まぁ上にアマゾンとか繋がってますが相変わらず営利的な目的は一切無く、皆さんにもこの感動を、と思って書いてみたのです。
ダイジなことだからもう1度いいますよ
このマンガは190ページからが本番です
飛鳥新社出版、もぐら著作うちのトコではというマンガです。
まぁとりあえず読んでみた感想を一言
不覚にも泣いた
気になった方はデスネ。
とりあえずこの本を買ってまず190Pから読むことをおすすめしますというか190ページ以前は読まなくても結構です(ぉ
夢の架け橋というストーリーマンガがついているのですがちょっとした感動物語になっちゃってます。
瀬戸内3橋(瀬戸大橋、しまなみ海道、明石海峡大橋)の計画から開通までの物語なんですが。
ァーツマンネーとか思いながらそこまで読み進めていたらそんなモン出てくるおかげで『薦めるトコ間違ってるよ姉貴!!』と突き返す勢いでした。(繰り返し読むため未だ拝借中
まぁ上にアマゾンとか繋がってますが相変わらず営利的な目的は一切無く、皆さんにもこの感動を、と思って書いてみたのです。
ダイジなことだからもう1度いいますよ
このマンガは190ページからが本番です
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