×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
7
少し経って、色々と落ち着いてきた。
不安定気味だった祐紀も、いつしか元のおとなしい患者に戻っていた。
(……なんか物足りないような……)
祐紀はそんなことを思っていた。
新名弥栄の病室はあれ以来、みつからなかった。
祐紀はいつしか探すのをやめて、おとなしくしていた。
彼女は自分の見た幻影だったのだ、そう思いこむことで、いくらか自分の心を押さえつけたのだ。
しかし、どんなに押さえつけても、弥栄への思いは強まる一方なのだった。
「……新名……弥栄……」
その言葉に担当の看護師が反応する。
「あぁ、そういえば祐紀君は新名さんの部屋に隠れてたんだってね。彼女とは仲いいの?」
それを聞いた祐紀の目の色が変わる。
ムリもないだろう。その存在を否定した相手のことを、担当看護師は知っていたのだから。
「弥栄……新名さんは、退院したんですか?」
病院から忽然と姿を消すには、退院が一番可能性が高い。そう判断しての発言だった。
「……いや、病室が変わったの。今いるのは、あそこの内科じゃなくて……」
看護師が言いよどむ。
「……何処に?」
聞きたくない気がした。
でも祐紀は聞かなければならない気がした。
「……精神科……」
一瞬、理解が遅れる。
「……精神科!? なんで精神科なんかに!!」
祐紀が立ち上がらん勢いでくってかかる。
看護師は冷静にそれをなだめて言った。
「彼女……新名弥栄さんは、失明の不安で人間不信になっていたの。……しばらく回診すら抵抗して受けもしなかったんだけど、このまえの一件の後に新名さんが珍しく診察を受けたら、そう結論が出て彼女は先に心のケアが重要と言うことで精神科に移ったの。」
「そんな……」
信じられないと言った表情を浮かべる祐紀
しかし、祐紀はすぐに車いすを動かし始める。
「あ、ちょっと?! 祐紀君! 何処に行くの!?」
祐紀は返事もせずに車いすを操作してあっという間に病院の方へ入っていった。
少し経って、色々と落ち着いてきた。
不安定気味だった祐紀も、いつしか元のおとなしい患者に戻っていた。
(……なんか物足りないような……)
祐紀はそんなことを思っていた。
新名弥栄の病室はあれ以来、みつからなかった。
祐紀はいつしか探すのをやめて、おとなしくしていた。
彼女は自分の見た幻影だったのだ、そう思いこむことで、いくらか自分の心を押さえつけたのだ。
しかし、どんなに押さえつけても、弥栄への思いは強まる一方なのだった。
「……新名……弥栄……」
その言葉に担当の看護師が反応する。
「あぁ、そういえば祐紀君は新名さんの部屋に隠れてたんだってね。彼女とは仲いいの?」
それを聞いた祐紀の目の色が変わる。
ムリもないだろう。その存在を否定した相手のことを、担当看護師は知っていたのだから。
「弥栄……新名さんは、退院したんですか?」
病院から忽然と姿を消すには、退院が一番可能性が高い。そう判断しての発言だった。
「……いや、病室が変わったの。今いるのは、あそこの内科じゃなくて……」
看護師が言いよどむ。
「……何処に?」
聞きたくない気がした。
でも祐紀は聞かなければならない気がした。
「……精神科……」
一瞬、理解が遅れる。
「……精神科!? なんで精神科なんかに!!」
祐紀が立ち上がらん勢いでくってかかる。
看護師は冷静にそれをなだめて言った。
「彼女……新名弥栄さんは、失明の不安で人間不信になっていたの。……しばらく回診すら抵抗して受けもしなかったんだけど、このまえの一件の後に新名さんが珍しく診察を受けたら、そう結論が出て彼女は先に心のケアが重要と言うことで精神科に移ったの。」
「そんな……」
信じられないと言った表情を浮かべる祐紀
しかし、祐紀はすぐに車いすを動かし始める。
「あ、ちょっと?! 祐紀君! 何処に行くの!?」
祐紀は返事もせずに車いすを操作してあっという間に病院の方へ入っていった。
0
その朝、全てが始まった。
いつものように目覚めたのは、某不幸学生 いや
元不幸学生(現在は不幸野良ウィザード)の柊蓮司であった。
「いやぁ、久々にアンゼロットの声を聞かない、イイ朝だ……」
ワキワキと手をにぎにぎし、一通り体を動かすと、なんとはなしに0-Phoneの画面を開く。
目立った要項は何もなく。柊蓮司は実に184日ぶりの休日を得たのだった。
「ん~。休みかぁ…… そうだ、魔剣の手入れしておこう。アイツもがんばってるんだから、たまにはいたわらないとな。」
ポンと手を打ってがさごそと月衣の中を漁る。
が
「……あれ? 」
長年付き添っていたパートナー。
魔剣使いの魔剣使いたる所以。
魔剣が
「ないぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!! 」
無くなっていた。
1
「魔剣が無くなったぁ!? 」
ここはかの有名な陰陽師筋の赤羽家。
柊蓮司の腐れ縁の赤羽くれはは、ことの顛末を聞いて素っ頓狂な声を上げた。
「アンタ、それって一大事じゃない。ってゆーかなんで無くなるわけ?! 月衣の中に入れてたんじゃないの!? 」
一気にまくしたてるくれは。
「月衣には入れてたんだけど……見つからないんだよ……」
気圧されて後ずさりながらも蓮司は答えた。
「とにかく、もう一回探してみなよ。意外に見つかるかもよ。」
うぅむ……とうなりながら再びごちゃごちゃと月衣内を漁る蓮司
「ってちょっとストップ」
くれはの声に蓮司の探す手が止まる。
「なんだよ?」
「なんか月衣の中ごちゃごちゃしてない?」
と、蓮司が手を突っ込んでる空間を指さす。
「……まぁ、否定はせんが、でも出したいときに出したいものが出せるだろ? 月衣って。でも魔剣出てこないんだよ。」
「むぅ、確かに。」
蓮司はすぐに漁るのをやめて、月衣を閉じる。
「アンゼロットさんに頼めばなんとかなりそうだけどねー」
と、くれはが言う。
「いや、アンゼロットに借りを作りたくない。」
蓮司はきっぱりと言いはなった。
「そしたら探してみよっか。しょうがないから手伝ってあげる」
結局2人で魔剣の落ちてそうなところをしらみつぶしに探すことになった。
その朝、全てが始まった。
いつものように目覚めたのは、某不幸学生 いや
元不幸学生(現在は不幸野良ウィザード)の柊蓮司であった。
「いやぁ、久々にアンゼロットの声を聞かない、イイ朝だ……」
ワキワキと手をにぎにぎし、一通り体を動かすと、なんとはなしに0-Phoneの画面を開く。
目立った要項は何もなく。柊蓮司は実に184日ぶりの休日を得たのだった。
「ん~。休みかぁ…… そうだ、魔剣の手入れしておこう。アイツもがんばってるんだから、たまにはいたわらないとな。」
ポンと手を打ってがさごそと月衣の中を漁る。
が
「……あれ? 」
長年付き添っていたパートナー。
魔剣使いの魔剣使いたる所以。
魔剣が
「ないぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!! 」
無くなっていた。
1
「魔剣が無くなったぁ!? 」
ここはかの有名な陰陽師筋の赤羽家。
柊蓮司の腐れ縁の赤羽くれはは、ことの顛末を聞いて素っ頓狂な声を上げた。
「アンタ、それって一大事じゃない。ってゆーかなんで無くなるわけ?! 月衣の中に入れてたんじゃないの!? 」
一気にまくしたてるくれは。
「月衣には入れてたんだけど……見つからないんだよ……」
気圧されて後ずさりながらも蓮司は答えた。
「とにかく、もう一回探してみなよ。意外に見つかるかもよ。」
うぅむ……とうなりながら再びごちゃごちゃと月衣内を漁る蓮司
「ってちょっとストップ」
くれはの声に蓮司の探す手が止まる。
「なんだよ?」
「なんか月衣の中ごちゃごちゃしてない?」
と、蓮司が手を突っ込んでる空間を指さす。
「……まぁ、否定はせんが、でも出したいときに出したいものが出せるだろ? 月衣って。でも魔剣出てこないんだよ。」
「むぅ、確かに。」
蓮司はすぐに漁るのをやめて、月衣を閉じる。
「アンゼロットさんに頼めばなんとかなりそうだけどねー」
と、くれはが言う。
「いや、アンゼロットに借りを作りたくない。」
蓮司はきっぱりと言いはなった。
「そしたら探してみよっか。しょうがないから手伝ってあげる」
結局2人で魔剣の落ちてそうなところをしらみつぶしに探すことになった。
最新記事
(11/18)
(11/15)
(11/03)
(10/18)
(10/07)
カレンダー
05 | 2025/06 | 07 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 |
15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 |
22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 |
29 | 30 |
カウンタとパーツ
カテゴリー
ついったー
ブロペとバナー
バナー広告は特にないよ!
最新トラックバック
プロフィール
HN:
過激派唐辛子
性別:
非公開
ブログ内検索