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「……」
蓮司は無言だった。
ちなみに場所はアンゼロット城である。
「ですから、この剣はもう直りませんから、柊さんにはこれからも魔物使いとして……って聞いてますか? 柊さん」
蓮司は折れてしまった魔剣を見下ろして、膝をついていた。
「……ごめん……」
蓮司は眼に涙を溜めていた。
「俺のせいなんだ。俺のせいで、こんなことに……俺がもっと注意してやれれば……俺がもっと……」
アンゼロットはしばしの間眼を閉じていた。
蓮司の謝罪は続いていた。
「もっと、大切にしてやれば……もっと、大事にしてやれれば……」
アンゼロットがゆっくりと眼を開き、言った。
「後悔、していますか?柊さん。」
「あぁ、すごくな。俺が新米の頃からずっと一緒だった、俺のパートナーだったのに……」
すると、アンゼロットは懐からススーっと一振りの剣を取り出す。
「では、コレをお返ししますね。柊さん」
アンゼロットが取り出したのは、見まごうことなく柊蓮司の魔剣そのものだった。
「……これ……」
「実は、魔剣さんから、『柊さんが自分を道具としてしか見ていない気がする。ずっと一緒のパートナーなのに』とお願いされまして、柊さんを試させていただいたのです」
「今のあなたの気持ち、ちゃんと魔剣さんに通じたと思います。これからも大切にしてあげてください。」
そう言うとアンゼロット自ら蓮司に魔剣を手渡す。
蓮司はこのとき初めて、アンゼロットに感謝したという。
その後、蓮司はアンゼロット城を出ようとした。
「……も~」
その時だった。もの哀しい鳴き声と共に、何かが蓮司の服の袖をぐいぐい引っ張っていた。
「あ……牛……」
そう、短い間だったが蓮司のパートナーとして付き添ってきた牛だった。
牛は今にも泣きそうな瞳で蓮司を見ていた。


「……来いよ……お前も」


「も、も~」


こうして、『魔剣魔物使い』柊蓮司が誕生したとかしないとか……

---fin---

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