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空が夕焼けで紅く染まり、教室から喧騒が消え、
志藤は一人になった。
一人、教室に入る
教室の中は二人になった。
二人目――蔵野は志藤に声をかける。
毎日の繰り返しのはずだった。
「志藤君って、部活とか入らないの?」
その日の蔵野の一言目はその言葉だった。
志藤の席の横に立つのではなく、前の席に椅子を逆さにして座り、志藤と向かい合っていた。
「……部活?」
その日は眠そうに突っ伏していた志藤が声を上げる。
蔵野の問いかけに、志藤は初めて答えていた。
「そう、部活。私は委員会のお仕事があるからやってないけど、志藤君いつもこの時間、何もしてないみたいだし。どうかな?って思ったんだけど」
志藤はしばらく黙っていた。
しかし、今日の蔵野は中々そこを去ろうとはしなかった。
しきりに「どうかな?」を繰り返す蔵野。
ついに志藤が根負けして返答をした。
「……考えとく。それはそうと―― 」
今度は志藤から蔵野へ、問いかけがされた。
「委員長は何でそんなに俺のこと気にすんの?」
蔵野はしばし呆然としたが、すぐに微笑みながら言った。
「気になるからだよ。いつも一人でいる君のことが」
そう言うと少し恥ずかしくなったのか、蔵野は赤くなって顔を背けてしまう。
「……」
しばしの沈黙。
そのスキに太陽は遠く西の彼方へと沈み、星が瞬きはじめる。
「じゃぁ、俺帰るから」
そう言って志藤は、そそくさと教室を出て行った。
蔵野はもうしばらく教室にいたが、やがて何かを思い出したかのように、急いで教室を出て行った。
---to be continued---
空が夕焼けで紅く染まり、教室から喧騒が消え、
志藤は一人になった。
一人、教室に入る
教室の中は二人になった。
二人目――蔵野は志藤に声をかける。
毎日の繰り返しのはずだった。
「志藤君って、部活とか入らないの?」
その日の蔵野の一言目はその言葉だった。
志藤の席の横に立つのではなく、前の席に椅子を逆さにして座り、志藤と向かい合っていた。
「……部活?」
その日は眠そうに突っ伏していた志藤が声を上げる。
蔵野の問いかけに、志藤は初めて答えていた。
「そう、部活。私は委員会のお仕事があるからやってないけど、志藤君いつもこの時間、何もしてないみたいだし。どうかな?って思ったんだけど」
志藤はしばらく黙っていた。
しかし、今日の蔵野は中々そこを去ろうとはしなかった。
しきりに「どうかな?」を繰り返す蔵野。
ついに志藤が根負けして返答をした。
「……考えとく。それはそうと―― 」
今度は志藤から蔵野へ、問いかけがされた。
「委員長は何でそんなに俺のこと気にすんの?」
蔵野はしばし呆然としたが、すぐに微笑みながら言った。
「気になるからだよ。いつも一人でいる君のことが」
そう言うと少し恥ずかしくなったのか、蔵野は赤くなって顔を背けてしまう。
「……」
しばしの沈黙。
そのスキに太陽は遠く西の彼方へと沈み、星が瞬きはじめる。
「じゃぁ、俺帰るから」
そう言って志藤は、そそくさと教室を出て行った。
蔵野はもうしばらく教室にいたが、やがて何かを思い出したかのように、急いで教室を出て行った。
---to be continued---
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